放射線治療
平成19年の年間死亡者数は110万8,334人で、このうち33万6,468人(男性:20万2,743人、女性:13万3, 725人)の方ががんにより亡くなっています。このため「日本人の3人に1人ががんで死亡している。」とも言われています。
放射線治療は、外科療法(手術による治療)、化学療法(抗がん剤による治療)と並ぶがん治療法です。治癒を目的とした根治的治療、手術・化学療法を補助する併用療法、症状を緩和して生活の質(QOL)を回復・維持させる緩和的治療などを行なっています。扱う疾患は中枢神経腫瘍、頭頚部癌、肺癌、乳癌、膵癌、直腸癌、子宮頚癌、前立腺癌、転移性腫瘍など多岐に渡り、その他ケロイドや甲状腺眼症などの良性疾患に対しても治療を行なっています。
東京慈恵会医科大学放射線医学講座放射線治療部門では3次元原体照射などの従来の治療に加え、以下の高精度外部照射や小線源治療を積極的に行なっており幅広い治療を経験することができます。
他診療科とのカンファレンスや連携も積極的に行なっており、また副鼻腔癌におけるRADPLAT治療など新しい治療も行なっています。
強度変調放射線治療(IMRT : intensity-modulated radiotherapy)
照射範囲の放射線強度を変化させながら照射することにより、隣接する正常組織の線量を低減し、標的病巣の形状に合わせた照射が可能となります。附属病院では2020年よりトモセラピー(Radixact™️)を導入したことでIMRTの選択肢が広がりました。
画像誘導放射線治療(IGRT : Image-Guided Radiotherapy)
治療範囲・位置を照合するため、装置に搭載された診断用X線装置を用いて、照射開始直前に治療台にて画像を撮影し、ミリ単位での照合を実施しています。
体幹部定位照射(SBRT : Stereotactic Body Radiation Therapy)
肺や腹部の病気に対して、呼吸による動きを考慮したうえで治療が可能になりました。実際に治療している最中も画像照合を実施し、目的とする病巣にピンポイントで放射線を照射できているかの確認をしながら治療を実施しています。
前立腺癌に対する永久挿入密封小線源療法
非常に弱い放射線を出す小さな線源を50-100個ほど前立腺内に挿入し、前立腺のがん病巣へ放射線を照射します。小線源はチタン製でカプセル状になっており、ヨウ素125線源が密封されています。放出される放射線量は徐々に弱まり1年後にはほとんどゼロになります。
子宮頸癌に対する腔内照射(RALS:Remote After Loading System)
膣から子宮に器具を挿入し、その器具を通してイリジウム線源を移動させることで内側から放射線を照射します。病変の形状に合わせて高線量を集中的に投与でき、周囲臓器への影響を少なくすることが可能です。



